人工透析をより深く理解するために「看護師の役割とは」

看護師が主に従事するのは血液透析です。透析治療は、「透析前のバイタル測定」「針を刺して透析用の血液回路を接続」「透析による血液浄化」「針を抜いて止血」までが一連の流れです。医師や透析技師が行うこともありますが、多くの場合は看護師が行います。患者には食事制限や活動制限が設けられているため、それらが守られているかどうかもチェックし、患者の健康管理と生活指導を行います。

透析センターで働くメリットは夜勤がなく日勤が中心で生活と仕事のバランスが取りやすいことです。看護師には夜勤がつきものですが、体力的にも精神的にもハードなので体調を崩してしまう人も少なくありません。しかし、透析センターは勤務時間が日勤帯なので体力的にきついと感じることはそれほど多くないのです。また、「人工透析」の専門性も高められます。透析看護が初めての場合は覚えることがたくさんあり大変ですが、看護師としてある程度の経験があれば問題なく対応できますし、奥が深いので勉強の目標も持ちやすいでしょう。資格を取得しスキルアップにつなげることも可能です。

患者に密接にかかわれる反面、人間関係に気を遣うことが多くなります。患者だけでなく同僚との距離も近くなるため、人間関係がこじれると問題も大きくなりやすいのです。ストレスを抱えながら仕事をすると精神的に疲弊してしまうため、あまりよい環境であるとはいえません。また、人工透析の専門性を深められるメリットはありますが、一般的な看護に応用できるところはそれほど多くありません。将来的に、透析センター以外の職場に転職することを視野に入れている場合はその点もしっかりと考えておきましょう。

透析センターは透析に特化した専門の施設なので人工透析の知識と技術が必要です。透析業務に携わった経験がある人は、透析技能検定試験などを受験すると専門的な知識や技術を持っているアピールになります。透析技能検定試験2級は、透析治療の実務経験が1年以上ある看護師なら誰でも受験できます。さらにスキルアップを目指すなら、透析技能検定試験1級や慢性腎臓病療養指導看護師、透析看護認定看護師などの資格を取得するとよいでしょう。

血液透析は透析用に造設された血管に針を刺して行うため、手先が器用な人が向いています。また、透析治療は途中で腎移植を受けない限り、生涯治療を続けなければなりません。そのため、患者の気持ちをくみ取った看護を行うことが大切です。患者の気持ちに寄り添った看護がしたい人に向いているでしょう。