2つの仕組みを活かした血液濾過透析
血液透析(HD)は、ダイアライザーを通して血液と透析液を接触させ、老廃物や余分な水分を除去する血液浄化法です。血液透析は小分子量の物質を取り除くのに優れていますが、中分子量以上の物質は拡散能力が減少するため、除去効率も低下します。
一方、血液濾過(HF)は、透析液ではなく圧力をかけて血液を濾過して、老廃物や余分な水分を取り除く血液浄化法です。除去した老廃物や水分に見合った分の電解質液を体内に補充します。膜孔を通過できる物質なら分子量に関係なく、一定の濃度で除去することが可能です。血液濾過は血液透析よりも中分子量物質や低分子量タンパクの除去に優れていますが、小分子量物質の除去効率は低めです。
血液濾過透析(HDF)は、血液透析と血液濾過の長所を活かしながらそれぞれの短所を補った血液浄化法です。小分子量物質から低分子量タンパクの物質まで幅広く除去することが可能ですが、血液濾過透析の仕組みはあくまで拡散ではなく濾過が中心です。
置換液の種類や置換方法の違い
血液濾過透析(HDF)は、血液中に「置換液」を注入して希釈しますが、置換液を入れる場所によって「前希釈法」「後希釈法」「前後同時希釈法」の3つに分類されます。
「前希釈法」は、血液がダイアライザーに入る前に置換液を注入して透析濾過を行います。ダイアライザーの流入側から注入していきますが、ダイアライザーを通る前に血液が希釈されるため、除去したい物質の血中濃度も低くなります。拡散による除去効率は低くなりますが、フィルタの目詰まりは起こりにくいため、時間経過による性能低下は少ないというメリットがあります。
「後希釈法」は、血液がダイアライザーを通った後に置換液を注入する方法です。ダイアライザーの流出側から注入していきますが、除去した体液は血しょうに由来したものなので、同じ置換液量を使うなら後希釈法の方が効率よく除去できます。しかし、後希釈法は前希釈法よりもアルブミンの漏出量が多いため、置換液量と使用するフィルタの組み合わせに注意しなければなりません。
また、置換液の種類や置換方法によって、「オフラインHDF」と「オンラインHDF」にも分類されます。「オフラインHDF」とは、置換液が補液バッグやボトルなどに入れられて透析液供給ラインと切り離されているものです。市販の血液濾過用の置換液を使用します。一方、「オンラインHDF」とは、置換液が透析液供給ラインと接続されているものです。透析液を清浄化して血液濾過用の置換液として使用します。
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